ザ・シンフォニカ 創立10周年記念 第20回定期演奏会


青少年音楽日本連合(略称ジュネス)の出身者を中心に結成されたアマチュアオーケストラ「ザ・シンフォニカ」はまもなく創立10周年を迎えます。その節目ともなる第20回定期演奏会にマーラーの交響曲第2番「復活」を取り上げることとなりました。合唱指導の第一人者として御活躍中の阿部純先生、当団正指揮者の今村能先生をお迎えし、 サントリーホールという最高の舞台で皆様と共に感動を分かち合いたいと思います。


日時
1996年8月10日(土)19時開演
場所
サントリー・ホール
入場料
全席指定: S席(3,000円)、A席(2、500円)
指揮
今村 能
ソリスト
合唱指揮
阿部純
曲目
マーラー:交響曲第二番?ハ短調『復活』

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−マーラー『復活』初演100年−
(指揮者今村能氏によるコメント)

マーラーが残した『復活』演奏に関する資料、自筆譜のファクシミリを徹底的に検証し、マーラー演奏の真髄に迫ります。オーケストラの配置は、最近ではすっかり忘れ去られた伝統的な配置、チェロ・コントラバスが舞台の左側に来る、『復活』ベルリン初演と同じ配置です。舞台裏での演奏は、作曲者自身の指示をすべて実現します。

ベルリン・フィルと共に過ごし、夏はザルツブルク近郊で過ごしていた私自身の体が肌で感じたもの、ドイツ・オーストリア・中欧のオーケストラを指揮して得た私の全てを、この『復活』に捧げたい。理想的なオーケストラ、合唱団、ソリスト、スタッフそしてホールに恵まれたこの8月10日、マーラーが天からの使いとして舞降り、私達を至福の世界へと導いてくれる事でしょう。


ザ・シンフォニカって、どんなオーケストラ?

卒業してからも『いい音楽』を一緒にやりたいネ−大学時代に青少年音楽日本連合(略称ジュネス)で仲良くなった学生達のこんな思いが、1986年に一つのオーケストラを生みました。それが”ザ・シンフォニカ”です。結成当時のメンバーの中心は、大学を卒業してまだ日の浅い社会人。当初の団員数は約40名ほどだったのが、現在では100名を超える大所帯に。また、ジュネス出身以外にも様々なメンバーが加わり、いろいろな意味で幅広いオーケストラになりました。元々音楽にたいして果敢なメンバーが多いこともあり、マーラー、R.シュトラウス、ブルックナー、バルトークなどの大曲もしばしば取り上げてきました。しかし、学生時代のように年中楽器を練習するわけにもいかず、時にこれらの大曲は私達に重くのしかかってきます。そんな苦難をはねのけるのは、やはり『いい音楽』をしたい、という共通の思いです。また、アマチュアではありますが、最高水準の音楽を目指す姿勢だけは決して忘れない団体であろうと努力を続けています。

ザ・シンフォニカを支える『情熱』について

いつまでもいい音楽をやりたい、との一心で大学を卒業したてのアマチュア・プレーヤーたちがオーケストラを結成して約10年。ペレストロイカ、ドイツ統一、EU統合、湾岸戦争、ボスニア紛争…世界では様々な変革が起こり、音楽を取りまく環境も変わってきました。しかし、時間がいくら経っても変わらないのが、音楽の持つ素晴らしさ、そして、音楽に対する私たちの情熱です。日々、様々な企業・学校等で仕事に追われる私たちが、技術や音楽性を磨きながら充実した演奏会を続けるのは、はっきり言って至難のワザです。それでも一人ひとりが団員であることに慶びを感じ、いい演奏のための努力を続ける…。それが、ザ・シンフォニカの最大の長所です。また、いつまでも、その姿勢だけは忘れずにいたいと思っています。


指揮者・ソリストの紹介

指揮者:今村能(Chikara Imamura)

1954年大阪生まれ。76年国立音楽大学教育音楽学科卒業、78年桐朋学園大学指揮科研究生修了。小沢征爾、秋山和慶、尾高忠明ら各氏に師事。77年”カラヤン・コンクール・ジャパン”に入賞し、ベルリン・フィルを指揮。80年、”グィド・カンテルリ国際指揮者コンクール”でファイナリストとなり、ミラノ・スカラ座管弦楽団を指揮。83年、ポーランドの”フィテルブルク国際指揮者コンクール”に優勝。以来客演指揮者としてワルシャワ・フィル、ヘルシンキ・フィル、読売日本交響楽団などで活躍。89年より、”オーケストラ・アンサンブル金沢”の専属指揮者を歴任。現在、”東京ハルモニア室内オーケストラ”常任指揮者。ワルシャワ・フィル、北ドイツ・フィル客演指揮者。当団、正指揮者。

ソプラノ:平松英子

東京出身。東京芸術大学、同大学院修了。ミュンヘン国立音大修了。東敦子、H.ブラシュケ、H.M.シュナイト他に師事。ベルリン、テアター・デス・ヴェステンス、ホーフ劇場等に出演。88年、日生劇場「魔弾の射手」エンヒェン役で日本のオペラ・デビュー。「フィガロの結婚」スザンナ、「魔笛」パミーナ等をレパートリーをする。第20回ジロー・オペラ新人賞受賞。

メゾ・ソプラノ:西明美

国立音楽大学卒、東京芸術大学大学院修了。田中信枝、渡辺高之助、中山悌一に師事。第39回音楽コンクール第3位。ドイツ、イタリアに留学、ヘルタ・デッパー、マリア・カルボーネに師事。国内では「サロメ」のヘロディアス、「ローエングリーン」のオルトルート等で好評。 91年二期会創立40周年記念公演「神々の黄昏」のブリュンヒルデは絶賛された。第19回ジロー賞。二期会会員。

副指揮:山本訓久

国立音楽大学音楽部器楽科(ユーフォニアム専攻)卒業。東京芸術大学大学院音楽研究科修了。指揮を山岡重信、高階正光、和声を新実徳英、ユーフォニアムを三浦徹、大石清の各氏に師事。94年文部省在外研究員として渡欧。ウィーン国立音楽大学指揮科に在籍し、 U.ライオヴィッツ教授のクラスにてオーケストラ指揮法を学ぶ。現在、東京学芸大学音楽学科専任講師、桐朋学園大学講師。目黒区民交響楽団ミュージックアドヴァイザー・指揮者。

合唱指揮:阿部純(Yasushi Abe)

東京生まれ。東京芸術大学卒業。指揮を田中信昭、故北側剛、声楽を柴田睦陸、原田茂生、エリザベッタ・マイエロンの各氏に師事。石丸寛、小林研一郎、G.シノーポリらの指揮者と共演。また88年にJSKCYと西ドイツ、東京音楽大学とハンガリー、オランダに、また92 年から93年にかけて再びJSKCYとドイツに演奏旅行。現在、東京音楽大学専任講師、群馬交響楽団指揮者。その他、コーロ・オルラッチ、東京労音合唱団、東京医科歯科大学合唱団等の常任指揮者。学習院輔仁会音楽部合唱団、青少年音楽日本連合等でも指導。